素材へのこだわり

低農薬栽培 防腐・防カビ剤不使用 レモン

国産の信頼できる素材が見直されています。
 近頃相次いで、輸入品の問題が話題になり、国産の信頼できる素材が見直されています。今回特集するレモンも、近年、収穫前後に施す農薬の件でずいぶん問題になり、家庭では敬遠される方が増えています。そんな風潮の中、なんとか近い場所で丸ごと安心して食べられるレモンや柑橘類はないものかと探しているうちに、細江町で主に柑橘類を栽培していらっしゃる、山田さんとの出会いがありました。
細江町は静岡県の西部、浜名湖の北東部に位置し、肥沃な平地と起伏に富んだ地形を有する温暖なところ。周囲には、一面に柑橘類の畑が広がっています。レモンは本来、気温差の少ない、温暖で乾いた土地に適し、夏は高温多湿、冬は低温の日本では、栽培できる土地が限られてしまいます。レモンは10月上旬から2月までと収穫期間が長く、早生は緑色、寒暖さが大きくなる12月末頃から黄色に熟してきます。この季節の晩生は、よく熟し、皮の苦みが少なくとても食べやすいのが特徴です。
山田さんに、気になる農薬のことを伺いました。
「柑橘類で問題になる農薬については、細心の注意を払っていますが、人間が食べてもおいしい果物ですから、虫だって大好きです。おまけに湿度が高いので病気も発生しやすく、露地栽培である以上全く皆無というわけには行きません。殺虫剤を、まだ実が付いていない時期に規定範囲内で葉に撒布します。結実以降は、木酢液などの天然素材を用いたり、除草剤を散布する代わりに、時期が来ると枯れる牧草を植えたりして努力しています。第一に、見た目重視で過度な農薬散布をおこなうことは、栽培者である私たちが一番健康を害します。それに、薬のかかった果物を自分の家族に食べさせたくありませんから」
私たちの考えていた以上に、農業についてとても真剣に、取り組んでいらっしゃる山田さんと出会えてとてもうれしく思いました。
山田さんがセンター長をしていらっしゃる、細江農産物供給センターは、自然な農法を目指す誠実な農家が集まってできた組合です。この組合内でのレモンの平均生産量は25トン〜30トン。大小含めて23軒の農家の方が所属していらっしゃいます。
「高齢化が進む農家で、できるだけ薬にたよらないで安全な作物を作るには、手間と労力がかかり大変な作業です。レモンの木は樹勢が強い為、剪定がかかせません。また、樹木には刺があり収穫作業中ひっかいたり、実を傷つけてしまったりで細心の注意が必要です。みなさんから夏場に国産レモンがほしいとの声をたくさんいただきますが、そのためには多量の防腐剤と貯蔵施設が必要です。国産レモン本来の旬の時期には需要が低いため、価格も伸びず、割に合わないためなかなか生産者が増えないのが現状です」
なるほど、輸入レモンが一年中ある理由、国産レモンがなかなか市場に出ず直接販売がほとんどである理由がだんだんわかってきました。
「私たちの組合がお届けするレモンは、現在、防腐剤、防カビ剤の使用はしていません。皮ごと安心して食べていただけます。消費者の皆さんが国産レモン栽培の現状を理解していただき、見た目の綺麗さでなく、安心とおいしさで果物を選ぶことを心がけていただければ、私たちも、もっとたくさんのおいしく安全なレモンをお届けできると思います」山田さんのいわれるとおり、必要最低限の薬剤で育てた果実は、中には形が不揃いなものも含まれています。でもそれは、生産者側から自信をもってお届けできる安全の証です。私たちの住むふるさとから一番近い畑でできる国産レモンのさわやかな苦みと酸味をぜひ一度味わってください。

細江農作物供給センター
山田学さん

日当たりのよいみかん畑に
隣接して広がるレモン畑。

木の枝で収穫を待つレモン。
早生は緑色。やがて黄色に。

甘酸っぱいネーブルオレンジ。細江町の畑では、ほかにもたくさんの柑橘類が栽培されています。

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