素材へのこだわり

無農薬 柚子

素朴な外観は、安心の証です。
 岐阜県のほぼ中心、オオサンショウウオの棲む清流沿い。家々の庭先や山の斜面には、柚子の黄色い実が緑の間から顔をのぞかせています。関市上之保では、昔から家々の敷地内に柚子の木があり、皮は佃煮などに利用され、残りはお風呂に入れるぐらいしか使い道がありませんでした。他の農作物や果実の大半は山から下りてくる動物に食べられてしまいますが、柚子はすっぱいので食べられずに残ります。この柚子を利用して、村の名産品にしようと、平成12年に「かみのほゆず生産組合」が発足され、柚子栽培についての情報交換や商品開発が行われてきました。
柚子といえば冬至の「ゆず湯」が浮かびます。柚子には体を温める成分が含まれ、昔から風邪を引くと飲んだりお湯につかったりして利用してきました。柚子の薬効成分は主に皮に多く含まれるのですが、果実を皮まで使うためには農薬や防腐剤やワックスを使っていないことが大切な条件です。
上之保の皆さんは、果樹ではとても難しい、無農薬栽培に挑戦されています。
組合員の皆さんに、柚子栽培のご苦労をうかがいました。
「柚子の木はとげがあるので、風が吹いて実とふれると傷ができてしまい、それで柚子の見栄えが悪くなってしまいます。台風の多い年は本当に気苦労が多いです。
そして、作物にはつきものの裏作・表作の問題があります。たくさん収穫された次の年には木を休めないといません。二年続けて実をつけてしまうと、果実の品質も悪い上に木にも負担がかかります。新しく木を植える時には同時に二本植えて、できるだけ欠果が少ないように調節しています」
隔年欠果というハンデイや「無農薬」で栽培するという難しい問題も、様々な工夫でクリアされ、合計5000本の果樹から年間約九トンの収量を確保されています。
また、どこの農村にも見られる高齢化の問題も悩みの種です。柚子の木は背が高いほど日の光をたくさん浴びておいしい実ができますが、高くなればなるほど収穫や選定作業も難しくなり、高齢の農家では危険が伴います。
「とにかく私たちは、無農薬でやってみようと皆で決めました。色々大変なことは多いですが、皆の情報交換や相互協力で何とか乗り越え、少しでも品質の良い柚子を出荷できるように頑張ります。私たちの柚子がおいしいお菓子になると言うことで、みな新しい張り合いが出来ると思います」
組合長さんはこれからの意気込みをそう話されます。
果物を無農薬で育てると言うことは、大変なことです。虫や病気、傷、雑草と様々な難関があり、ご苦労が絶えません。そんな中で奇跡のように美しく収穫された柚子をみると私たちも頭が下がります。皮まで安心して食べられる柚子を丸ごと活用して美容と健康によいお菓子をつくりました。上之保柚子の晴れ姿が農家の皆さんへの少しのねぎらいになればと思います。

山の斜面に
黄色の灯りをともす柚子

村長の波多野 保さん

かみのゆず生産組合の皆さん

ページトップへ