素材へのこだわり

種子島 含蜜糖

サトウキビの旬到来
 寒の入りを迎え今年も砂糖の旬がやって来ました。一見季節感の無い砂糖ですが「さとうきび」から作る砂糖は、今まさに旬を迎えています。
 私たち里の菓工房は、厳選した素材の風味を最大限に楽しんでいただけるよう、できるだけ手を加えず、自然のままを生かすお菓子づくりを心がけています。
 「果子」というシリーズでは、「お菓子」の原形である「干した果物」を再現し、素材そのままの味と「本当によい素材」を選ぶ大切さをお伝えしています。

「ありのままをいただく贅沢」を砂糖にも。
 さてお菓子といえば欠かせないもの、それは「お砂糖」です。菓子製造の世界では素材の風味を損なわないために「甘味」のみを添加するのが大原則。砂糖本来が持つ栄養や風味は「雑味」とされ、極限まで精製された白砂糖が重用されます。
 ここで私たちは「素材ばかり自然な姿を追い求めて、一番大切な砂糖については、漫然と白砂糖を使っていて良いのだろうか」と考えました。

種子島での挑戦
 種子島とご縁ができて、栄養たっぷりの「黒糖」を作っていただくようになり、7年が経ちました。黒糖の良さを生かして開発したお菓子も大変評判が良く、お客様も旬の発売を楽しみにしてくださいます。しかし栄養価は満点の黒糖でも、その「風味」はとても個性的で、他の素材と合わせる事ができません。私たちは「なんとか栄養価が高くて、安心で美味しい砂糖をすべてのお菓子に使えないものか」とずっと思案と研究を重ねてきました。
 そしてついに昨年の12月、「新しい砂糖」を開発・生産するための拠点「種子島 里の菓工房」を、現地種子島に立ち上げる事になりました。地元の方々には私たちの熱意にご理解を頂き、温かいご協力や助言をしていただき、このご縁に本当に感謝しています。

糖蜜はクセのある栄養分
 ここで砂糖の分類について少しお話します。まず収穫したサトウキビは圧縮して糖汁を絞り、煮詰めながら不純物や灰汁を取り除きます。この後に「雑味」のもととなる糖蜜を取り除いたものが「分蜜糖」とされ、ここから精製や結晶の度合いで様々な用途別の砂糖が作られます。一方「糖蜜」を含んだ「含蜜糖」は「黒糖」と呼ばれ、サトウキビそのままの栄養は残っていますがクセがあるため用途が限定されてしまいます。

和三盆をしのぐ新しい砂糖を
 私たちは栄養を残したままの「含蜜糖」をなんとかお菓子に使えるまでに精製できないものかと考えています。「含蜜糖」のあく抜きをさらに丁寧に進めていくと、「黒糖」よりクセが少ない「白下糖」ができあがります。これを手作業で精製したものを「和三盆」といい、栄養を残したままでしかもクセのない、お菓子に使うには最高級のお砂糖ができ上がります。しかし和三盆の「研ぐ」作業は手作業の職人技。一子相伝の技術を身に付けた職人さんは日本にも数少ない状況です。
 そこで、品種や精製法の研究を積んで、何とか自分たちの手で「和三盆」に匹敵する素晴らしい「新砂糖」を作り上げようと、その実現も目前となってきました。
 新しい砂糖は近いうちに、砂糖が本来あるままの姿を理想とした「究極の砂糖」として皆様にお届けできそうです。

栄養満点の黒糖をどうぞ
 このサトウキビの旬にはぜひ「黒糖」そのままの風味もお楽しみください。またこの機会に、ご家庭で使っていらっしゃる「白砂糖」が、どんな会社でどのような行程で作られているかなど興味を持っていただき、黒糖の素晴らしさを再確認していただけたら種子島のスタッフの努力も報われるのではと思います。

hyou01.gif

黒糖からさらに灰汁を丁寧に何度も取り、よりまろやかな口当たりに仕上げた白下糖。

サトウキビの刈り取りは手作業。

いよいよ稼働した種子島里の菓工房

海に向かう斜面に広がる
サトウキビ畑

ページトップへ